Institute of Behavior Traits 行動特性研究所

5. 行動特性診断テストの検証(信頼性、妥当性)

行動特性診断テストの検証(信頼性、妥当性)

心理テストにおいて妥当性(validity)との検証は不可欠です。妥当性とは測定(調査)しようとしている対象を正確に測定できているかどうかの指標であり、信頼性(reliability)とは測定結果の一致性、安定性の指標です。 妥当性が高ければ『心理テストの結果』を用いた予測や推論の的中率が高くなり心理テストの検定において最も重要な指標 です。また、妥当性が高ければ信頼性も高くなるという特徴があります。 行動特性診断テストではその妥当性の高さにより各種能力(コミュニケーション力、問題解決力等)の測定精度が高いと評価され ています。

1.内容的妥当性(content validity)

内容的妥当性(content validity)とは、心理テストの質問項目や問題内容が測定しようとしている能力や状態が適切に測れてい るのかを示す指標です。行動特性診断テストでは内容的妥当性の検証として複数の専門家に『測定値』と『測定対象者の能力や状態の関連性』を数値で評価して貰い一致率や相関係数により内容的妥当性を数量的に検証しました。併せて、測定対象者をよく知る関係者に行動特性診断結果と本人の日常の行動の一致度や相関度を数値で評価して もらい内容的妥当性の評価を検証しました。

2.基準関連妥当性(criterion-related validity)

基準関連妥当性(criterion-related validity)とは、心理テストの診断結果と『外部の事象(外的基準)の予測(記述)』の精確度の指標です。行動特性診断テストの基準関連妥当性を下記の項目で検証しました。

  • 営業マンの行動特性診断結果による売上予測と実績の相関
    → 測定した営業能力と実績の相関 が高い
  • 入社時の行動特性診断結果による職種配属と上司評価の相関
    → 測定した職種マッチング度と人事評価の相関が高い
  • 海外赴任者の行動特性診断結果による海外赴任時のパフォーマンス予測と実績(上司や関係者の評価)の相関
    → 測定したグローバル能力診断と上司・関係者評価の相関が高い

3.信頼性の検証(再検査法、平行法で実施)

行動特性診断テストの複数回の受検による再検査

  • 留学の出発前(1回目)と帰国後(2回目)の測定値を相関を検証
    → 相関係数は、1ヶ月後では0.91以上、6ヶ月後では0.82以上、1年後では0.5前後1か月後の再検査の相関係数が高いことで信頼性が確保されています。「変化しない性格を測定する」という性格テストとは異なり、行動特性診断テストは「変化する行動を 測定対象」としているため、期間が長ければ長いほど行動の変化が大きくなり再検査の相関係数が低くなることは妥当性が高いことの証明ともなります。
  • 企業での研修実施グループ(Aグループ)と非研修グループ(Bグループ)の再検査
    → 6か月後の再検査ではAグループは0.75、Bグループは0.92という相関係数「研修による行動変化の促進」という研修効果の測定にも信頼性が高いことを検証