行動特性研究所について
行動特性研究所(理念、研究テーマ)
ユネスコと世界科学者会議の共催で1999年にブタペストで開かれた「21世紀の科学のための世界会議」で、地球と人類に生起する複雑な諸問題の解決のためには、科学と社会の新しい関係を構築することが緊急の課題であり、『社会ののための科学(Science for Society)』が重要であるとする宣言が採択され20年が経ちました。 これまでは、心理学は心理学の領野だけ、生理学は生理学の領野だけ、更にそれぞれの領野は細分化され孤立化し、それぞれに培ってきた知見が相互に活用されることがないという状況が続いてきました。神経科学の多くの分野では様々な動物を対象として研究が行われていましたが、高次な社会性がある人特有の研究においては動物実験だけでは限界がありました。心理学では被験者に本人の思考や感情を直接尋ねるという内省法が主な手段でしたが、主観のバイアスが強くかかり客観的に認知、感情、情動の諸傾向を明らかにするには不十分でした。
しかし、21世紀に入り、生理学や心理学の最先端の研究では各フィールドの境界が取り払われ、fMRI等の脳活動のデータが心理学にも用いられるようになり、社会性に関する心理プロセスを脳の活動を通して理解しようとする研究が進展してきました。例えば、学習心理学や社会心理学に大きな影響を与えたバンデューラの社会認知のモデリング理論は臨床心理学、組織行動学、スポーツ心理学、ストレス理論等の分野に応用・実践され、認知不協和理論は脳神経科学において「不快感情の大脳前部帯状回における表象」として研究され、学際的な研究が進展してきました。
学際的な研究が進むためには客観化が必要であり、客観化のためにはデータの共有化(データの見える化)が必要です。
これまでの心理テストは心の諸現象や諸機能を性格や動機等で測定しようとしてきました。しかし、心も性格も構成概念ですので構成概念を構成概念で測定しようとしても客観性が担保されず、研究者の『解釈』に委ねられ解釈の仕方により諸派が生じました。
行動特性研究所が開発した行動特性診断テストは『見えない心』を『見える行動』で測定した心理テストです。行動は構成概念ではなく現実に出現している事実ですので、客観的(目に見える)であり、それゆえ共有のデータとして学際的な研究の対象になります。
また、これまでの心理テストでは被験者の自己認識(自己の感情や思考の自己意識)を測定対象にしていましたが、人間の行動には意識的な面よりも潜在意識の影響の方が強く、自己意識を測定しても現実に出現する行動を測定したことにはなりません。
心理テストは類型論から特性論へと理論的に発展し、信頼性や妥当性等の統計手法により精確性を培ってきました。
行動特性研究所では、行動特性という客観的なデータの分析により、『見えない心』を心理学、生理学、現象学等の知見を活かして学際的な研究をテーマとしています。また、その研究成果を学会等で発表し、教育・研修等で活用し人と社会に貢献することを理念としています。
代表プロフィール
法人名 | 一般社団法人行動特性研究所 |
代表理事 | 星 洋 |
略歴 |
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実績 |
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主な所属学会等 |
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