3. 能力(コンピテンシー)と行動特性
行動特性と能力(コンピテンシー)
能力とは目標を達成するために必要なスキルであり、性格によって決まるのではなく、行動の組合せによって発揮されます。 能力を向上するためには、その能力を構成している行動の変化が必要です。
① 行動特性診断テストは観察可能なコンピテンシー(dynamic competencies)を測定しています
- コンピテンシーとは成果を上げる(目標を達成する)ために必要な上位能力であり、それは一連の行動の複合体として形成されています。『コンピテンシーは行動として表出し行動は達成動機等を起因とする(スペンサーSpencer:1993、1996)』
② コンピテンシーは職種等の一定の状況下において発揮される
- 測定対象となるコンピテンシーはコンピテンシーモデル(ボヤティス等)、コンピテンシーディクショナリーや行動インディケーターから抽出されています。『高業績者に共通する達成動機と行動特性 (マクレランドMcCleeand:1973、1977)』
③ 変化するコンピテンシーは性格との相関は低く、行動との相関が高い
- (殆ど変化しないとされる)性格特性と較べて、行動特性は変化するため一定の期間(研修の前後)での変化の測定を可能になります
コンピテンシーとは見えるもの
コンピテンシーは研究者によって様々に定義されている。主な相違点は「観察可能な領域」か「直接観察できない領域も含まれる」かに起因しています。(スペンサーの氷山モデル1993)
行動特性診断におけるコンピテンシーの考え方
① dynamic competenciesを対象
- コンピテンシーは成果を上げる(目標を達成する)ために必要な上位能力
- 一連の行動の複合体として形成される
② コンピテンシーは職種等によって規定される
- コンピテンシーモデル(ボヤティス等)
- コンピテンシーディクショナリー、行動インディケーター
③ 変化するコンピテンシーは性格との相関は低く、行動との相関が高い
④ 行動特性は変化するため(殆ど変化しないとされる性格特性と較べて)一定の期間(研修の前後)での変化の測定を可能にする
直接観察できない領域 (見えない領域) |
⇒ 動機、性格、自己概念等 変化しない領域stable competencies 性格特性等での測定対象 |
観察可能な領域 (見える領域) |
⇒ 技能、態度、行動等 変化する領域dynamic competencies 行動レベルでの測定対象 |
ビジネスにおけるコンピテンシーは主に【成果、評価、育成】の場面で使用されており『変化する行動レベルのコンピテンシー』が対象とされています。